NHK総合の夜ドラ枠で2026年1月5日から2月5日まで放送された『替え玉ブラヴォー!』。「ラーメン」と「クラシック・バレエ」、そして「女の友情」という一見結びつかない3つの要素を掛け合わせたこのドラマは、放送開始直後からSNSで話題を集め、Filmarksでは575件を超えるレビューが寄せられるなど、大きな反響を呼びました。
「この面白さ、原作漫画や小説があるのでは?」と気になって検索した方も多いのではないでしょうか。結論からいえば、本作は原作のないオリジナル脚本のドラマです。
この記事では、原作がないオリジナル作品であることの解説にとどまらず、脚本家・岸本鮎佳の過去作品から浮かび上がる「脚本の法則」、SNSで白熱した視聴者の考察、そして制作陣の情報までを徹底的に分析しています。原作がないからこそ「先が読めない」このドラマの全貌を、多角的にお届けします。
『替え玉ブラヴォー!』に原作はない!岸本鮎佳によるオリジナル脚本のドラマ
『替え玉ブラヴォー!』には原作となる漫画・小説・舞台作品は存在しません。本作は脚本家・岸本鮎佳が全20話をすべてゼロから書き下ろした、完全オリジナル脚本のドラマです。
岸本鮎佳自身もX(旧Twitter)で「全20話のオリジナル脚本を書かせていただきました。このラーメンバレエ友情盛り込んだトンチキ物語を最後まで観てくださった皆様、本当にありがとうございました」と投稿しており、原作がない作品であることは公式に裏付けられています。
制作のきっかけについて、岸本鮎佳は制作発表のコメントで「ラーメンとバレエと女の友情の話を作りたいんです、とお話を頂いた時、頭の中にハテナマークが100個くらい浮かんできた」と語っています。NHK側から提示された「ラーメン」「バレエ」「女の友情」という3つの素材を受けて、脚本家がオリジナルのストーリーを構築したという経緯です。つまり本作は、企画の段階から「原作のない新しい物語を作る」ことが前提だったといえます。
原作がないオリジナル脚本だからこそ、放送期間中は「次に何が起こるのか」を誰も知らないまま毎夜の15分を迎えるというスリリングな視聴体験が生まれました。この点が本作の大きな魅力であり、SNSで考察が白熱した要因でもあります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ドラマ名 | 替え玉ブラヴォー! |
| 原作 | なし(オリジナル脚本) |
| 脚本家 | 岸本鮎佳 |
| ジャンル | コメディ・ヒューマンドラマ |
| 放送局 | NHK総合(夜ドラ枠) |
| 放送期間 | 2026年1月5日〜2月5日(毎週月〜木 夜10:45〜11:00) |
| 全話数 | 全20回(5週) |
『替え玉ブラヴォー!』の脚本は誰が書いていますか?原作のない物語を生んだ脚本家・岸本鮎佳の作風を徹底分析
岸本鮎佳のプロフィールと経歴
岸本鮎佳は1984年3月22日生まれ、神奈川県出身の劇作家・脚本家・演出家・俳優です。16歳頃から事務所に所属して女優活動を始めましたが、当初は映像の仕事を志望しており、小劇場には縁がなかったといいます。転機となったのは劇団「動物電気」の公演を観たことで、小劇場の熱気に衝撃を受け、舞台の世界に飛び込みました。
2013年に演劇ユニット「艶∞ポリス」を旗揚げ。当初は共演者の井上晴賀に自ら声をかけて二人芝居を始めたのがきっかけで、「書いたこともなかったし、そんなつもりも全くなかった」脚本に初めて挑戦したところ好評を博し、以来すべての公演で脚本・演出・出演を担っています。
映像脚本の分野では、2017年のドラマ『Love or Not』を皮切りに、『健康で文化的な最低限度の生活』(2018年)、『私のおじさん〜WATAOJI〜』(2019年)など着実にキャリアを積み重ねました。2024年には『夫の家庭を壊すまで』が見逃し配信3000万回再生を記録し、「今業界が注目する鬼才脚本家」として一躍注目を浴びます。2025年以降は『バレエ男子!』『ディアマイベイビー』『今夜は…純烈』と立て続けにドラマ脚本を手がけ、さらにNHK土曜ドラマ『ひとりでしにたい』に俳優として出演するなど、まさにマルチな活躍を見せています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | 岸本鮎佳(きしもと あゆか) |
| 生年月日 | 1984年3月22日(41歳) |
| 出身 | 神奈川県 |
| 経歴 | 16歳頃から女優活動開始。2013年に演劇ユニット「艶∞ポリス」を旗揚げ。劇作家・脚本家・演出家・俳優としてマルチに活動 |
| 代表作 | 『夫の家庭を壊すまで』(2024年)、『バレエ男子!』(2025年)、『替え玉ブラヴォー!』(2026年) |
| 実績 | 『夫の家庭を壊すまで』見逃し配信3000万回再生 |
岸本鮎佳の過去作品から見る「脚本の法則」
岸本鮎佳の脚本には、作品を重ねるごとに鮮明になってきた「法則」が存在します。過去の代表作を横断的に分析すると、いくつかの明確なパターンが浮かび上がります。
まず、キャラクター造形における最大の特徴は「完璧ではない主人公」です。『夫の家庭を壊すまで』では復讐に駆り立てられる女性、『ブラックガールズトーク』では本音と建前の間で揺れる女性たち、そして『替え玉ブラヴォー!』では暴走気味の行動力で周囲を巻き込む佳里奈と、いずれの作品でも主人公は欠点や弱さを堂々と抱えています。制作統括の石澤かおるプロデューサーが「本作に登場するキャラクターに『立派な人』は全くいません」と語っている通り、人間の不完全さをそのまま肯定する姿勢が岸本脚本の根幹にあります。
会話劇の構成力も際立った特徴です。岸本自身が舞台の演劇ユニットを主宰していることもあり、対話を通じてキャラクターの内面を立体的に浮き上がらせる手法に長けています。艶∞ポリスの作品は「同時多発的に物事が進行し、”じわる”笑いと突き抜ける笑いが絶妙なバランスとタイミングで襲ってくる」と評されており、この会話の精度はドラマ脚本にも受け継がれています。
テーマの面では、「女性同士の関係性」が一貫した柱です。『あの子より、私。』(舞台作品)ではコンプレックスと嫉妬、『ブラックガールズトーク』では女性の本音と毒、そして本作では「友情の断絶と再生」と、作品ごとに切り口を変えながらも、女性が女性に対して抱く複雑な感情を掘り下げ続けています。「女のギスギスした会話劇を笑いに変えている」という本人の言葉通り、シリアスな感情をブラックユーモアで包む手法が岸本作品の味わいを決定づけています。
岸本鮎佳の法則から『替え玉ブラヴォー!』の展開を読み解く
※本セクションは筆者の分析に基づく考察であり、公式発表ではありません。
過去作の法則を『替え玉ブラヴォー!』に当てはめてみると、本作がいかに岸本鮎佳の「集大成」的な位置づけにあるかが見えてきます。
「完璧ではない主人公」という法則は、佳里奈(北香那)に最も色濃く表れました。初回でバレエウェア発表会のアクシデントにより「全世界への御披露目」という大惨事に見舞われる導入は、岸本脚本らしい「主人公を序盤で徹底的に追い込む」パターンの進化形です。過去作でも主人公は物語の冒頭で窮地に立たされる傾向がありましたが、本作ではそれがコメディとして極限まで振り切られています。
「女性同士の関係性」という繰り返し描くテーマについても、本作では「友情の絶交と再生」という形で真正面から取り組まれました。岸本鮎佳はGINGERwebのインタビューで「普段なんてことないときに話せる、女友達より大切なものはない」と語っており、さらに制作発表のコメントでは「毎日電話するほど仲の良かった親友と、ある日突然連絡を取らなくなった」という自身の実体験に言及しています。本作の佳里奈と優美の物語は、岸本が長年温めてきた「女の友情は一言では語れない面白さが詰まっている」という実感が、フィクションとして昇華されたものと考えられます。
また、『バレエ男子!』(2025年)と『替え玉ブラヴォー!』が連続してバレエを題材にしている点も注目に値します。異なる切り口でバレエの世界を描くことで、岸本鮎佳のバレエへの造詣が作品に深みを与えています。
『替え玉ブラヴォー!』の原作脚本の特徴は「15分の魔術」「軽快な会話劇」「異質の衝突」
本作の脚本は、放送期間中にSNSで「15分の魔術師」と称されるほど高い評価を受けました。その特徴を3つの観点から読み解きます。
第一の特徴は「15分という制約を逆手に取った濃密な構成力」です。NHK夜ドラ枠は1話15分という短尺フォーマットですが、岸本鮎佳はこの制約の中に、コメディ・人間ドラマ・伏線を高密度で詰め込みました。視聴者が「15分の魔術師すぎる」と評したのは、1話の中に笑いと切なさと次回への引きが過不足なく収まっていたからです。岸本鮎佳は演劇ユニットで「同時多発的に物事が進行する」脚本を得意としてきましたが、その構成力が15分枠でこそ真価を発揮したといえます。毎話のラストに配置された「引き」の強さは、月曜から木曜まで4夜連続で視聴者を引っ張るための計算された設計であり、全20話を一気に駆け抜けさせる推進力になっていました。
第二の特徴は「軽快でブラックな会話劇」です。主演の北香那が制作発表で「岸本鮎佳さんが生み出す世界観がとにかく好きです。世間のニーズとのバランスがうまく取れない人間の不器用さを、時にチャーミングに、時にブラックに描いていて」と語った通り、本作の会話には常に「表と裏」があります。佳里奈の暴走気味のセリフは笑いを生みながらも、その奥にある孤独や不安を鋭く射抜いています。「言葉に多くの意味や思いを乗せる精度の高い物語作り」という岸本脚本の評価は、本作においても遺憾なく発揮されました。
第三の特徴は「異質な世界の衝突による化学反応」です。NHK公式は本作を「一見、『油』と『水』のような関係が絡み合う時に何かが生まれる」と紹介しています。ラーメンブログでそこそこ名の知れた佳里奈と、プリンシパルを目指してラーメン断ちをする優美。この二人の関係性自体が「ラーメン×バレエ」という異質の衝突を体現しています。さらに、バレエウェア発表会、ラーメン店「ため口」、バレエ教室、広告代理店と、まったく異なる空間を行き来する構成が、物語のリズムに独特の躍動感を与えていました。
『替え玉ブラヴォー!』の原作・着想源は?脚本が生まれた背景を考察
『替え玉ブラヴォー!』の着想源について、公式に「特定の実話やモデルに基づく」という発表はされていません。ただし、脚本家・岸本鮎佳のインタビューやコメントからは、本作の核となるテーマがどこから生まれたのかを読み解くことができます。
最も重要な手がかりは、岸本鮎佳が制作発表で明かした自身の体験です。「毎日電話するほど仲の良かった親友と、ある日突然連絡を取らなくなったことがありました。喧嘩をしたわけでもありません。でも、それから15年後彼女から突然年賀状が届きました。そこには私が何度も夢に出てきたこと、あの時何故連絡を取らなくなったのか思い出せないということが書いてありました」。この「理由のない絶交と再会」というエピソードが、佳里奈と優美の物語の根幹に影響を与えていることは間違いないでしょう。
また、2022年の舞台『あの子より、私。』のインタビューでは、コロナ禍で連絡を取る友達が限られてきた中で「本当に連絡をとりたい人って誰だろう」と考えたこと、SNSで同年代の活躍を見て焦りを感じたことが、「コンプレックスと嫉妬と友情」というテーマの出発点だったと語っています。この流れの延長線上に、「30歳を迎えたあたりから『昔の友達』とのスレ違いを感じるようになった」という本作の核心的なテーマがあると考えられます。
NHKラジオ『まんまる』に出演した際には「喜劇って最高!」というテーマで本作について語っており、岸本鮎佳にとって「友情の痛み」を「笑い」で描くことは、長年の創作活動を通じて到達した表現方法であることがうかがえます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 公式発表されたモデル・着想源 | なし |
| 脚本家のインタビューでの言及 | 自身の「理由のない友人との断絶と15年後の再会」体験に言及 |
| 過去作との共通テーマ | 女性同士の友情・コンプレックス・嫉妬(『あの子より、私。』『ブラックガールズトーク』等) |
『替え玉ブラヴォー!』は原作なし!オリジナル脚本ドラマの楽しみ方
ネタバレなしで楽しむための注目ポイント
原作のないオリジナル脚本ドラマの最大の魅力は、結末を誰も知らないということです。原作がある作品では「ネタバレ」を避けるために情報を遮断する必要がありますが、本作では視聴者全員が同じ「未知」の状態で物語を追いかけることができました。
岸本鮎佳の脚本を楽しむ際に注目すべきは「キャラクターの何気ないセリフ」です。岸本作品は一つの言葉に複数の意味を込める精度の高さに定評があり、初見では笑いとして受け取ったセリフが、後の展開で別の意味を持って立ち上がってくることがあります。特に佳里奈と優美の会話は、友情の深さと同時に二人の間の「溝」を映し出す鏡のような役割を果たしています。
岸本鮎佳の過去作品を先に観るべき?
岸本鮎佳の作風をより深く味わうために過去作を観ておくことは有益です。特に『夫の家庭を壊すまで』(2024年)は、女性の複雑な感情をブラックに描くスタイルが最も先鋭的に表れた作品であり、岸本脚本の「毒と笑いの配合比率」を理解するのに最適です。
バレエというモチーフへの興味がある方には『バレエ男子!』(2025年)がおすすめです。同じくバレエを題材にしながらも男性が主人公という対照的な視点で描かれており、両作を比較することで岸本鮎佳がバレエの世界をどう捉えているかがより立体的に見えてきます。
女性の本音を描くコメディという観点では『ブラックガールズトーク』(2024年)が本作と最も近い味わいを持っています。こちらはマキノマキの漫画が原作であり、「原作あり」と「原作なし」で岸本鮎佳の脚本がどう変わるかを比較できる点でも興味深い組み合わせです。
似た世界観の作品ガイド
| 作品名 | 共通点 | 原作の有無 | 一言コメント |
|---|---|---|---|
| バレエ男子!(2025年・MBS) | 同じ岸本鮎佳脚本、バレエ題材 | オリジナル | 男性視点のバレエドラマとして好対照 |
| 夫の家庭を壊すまで(2024年・テレビ東京) | 同じ岸本鮎佳脚本、ブラックな女性ドラマ | オリジナル | 見逃し配信3000万回再生の話題作 |
| ブラックガールズトーク(2024年・テレビ東京) | 同じ岸本鮎佳脚本、女性の本音×ブラックコメディ | マキノマキ(漫画原作あり) | 原作ありでの岸本脚本を知るなら |
| 私のおじさん〜WATAOJI〜(2019年・テレビ朝日) | 同じ岸本鮎佳脚本、人間関係の機微 | オリジナル | 初期の岸本脚本の魅力が詰まった作品 |
| 健康で文化的な最低限度の生活(2018年・関西テレビ) | 岸本鮎佳が脚本参加、社会派ヒューマンドラマ | 柏木ハルコ(漫画原作あり) | 原作ものでの繊細なアレンジ力が光る |
原作のない『替え玉ブラヴォー!』を支えた演出家・プロデューサー
演出:中島由貴 ― 大河ドラマから夜ドラまで手がける実力派
本作のチーフ演出を担当した中島由貴は、慶應義塾大学文学部を1992年に卒業後、NHKに入局して以来、数多くのテレビドラマの演出を手がけてきたベテランです。2024年のNHK大河ドラマ『光る君へ』ではチーフ演出を務め、NHK朝ドラ『スカーレット』(2019年)や『精霊の守り人II』(2017年)、『アシガール』などの話題作を歴任しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | 中島由貴(なかじま ゆき) |
| 経歴 | 慶應義塾大学文学部1992年卒業、NHK入局 |
| 代表作 | 『光る君へ』(2024年・大河ドラマ)チーフ演出、『スカーレット』(2019年・朝ドラ)、『精霊の守り人II』(2017年) |
時代劇から現代劇まで幅広く手がける中島由貴の演出は、「人間にこだわるドラマ作り」を重視し、俳優の演技を丁寧に引き出す点に定評があります。大河ドラマのスケール感とは対照的な15分枠の夜ドラで、北香那のコメディセンスと天野はなのバレリーナとしての説得力を存分に引き出した手腕が光りました。
制作統括:石澤かおる ― 『虎に翼』から『替え玉ブラヴォー!』へ
制作統括(チーフ・プロデューサー)を務めた石澤かおるは、2008年にNHKに入局し、岐阜放送局勤務を経て『あさイチ』の制作に携わった後、ドラマ制作の道へ進みました。2024年のNHK朝ドラ『虎に翼』にプロデューサーとして参加した経験を持ち、女性の生き方や人間関係をテーマにした作品を多く手がけています。
石澤プロデューサーは制作発表で、岸本鮎佳の舞台を初めて観た際の印象を「とても面白かったのですが、どんな風に面白かったの?と尋ねられたら何も説明できない」と率直に語り、「岸本さんが描く女の会話は『鑑賞』ではなく『体験』なのだ」と分析しています。この「体験」としてのドラマを映像化するというビジョンが、本作の独特の雰囲気を形作ったといえます。
原作のない『替え玉ブラヴォー!』の世界観を彩る音楽 ― 作曲家・近谷直之
本作には一般的な意味での「主題歌」や「エンディング曲」は設定されていません。その代わりに、劇伴(サウンドトラック)が物語の空気感を決定づける重要な役割を果たしました。音楽を担当したのは作曲家・近谷直之です。
近谷直之は1988年生まれで、慶應義塾大学経済学部を2011年に卒業後、CM音楽制作の世界でキャリアをスタートさせました。Google、ソフトバンク、NTTドコモ、ソニー、トヨタなど大手企業のCM音楽を年間200本ペースで手がけ、2013年には「三井のリハウス」のCM曲でACCテレビCM部門ACCゴールドを受賞しています。ドラマ音楽では『TOKYO MER』や『めんたいぴりり』などの劇伴を担当してきた実績があります。
本作のサウンドトラックは2026年1月21日にデジタル配信され、全51曲が収録されています。中でも放送終盤に大きな話題となったのが「つらっPおこっP」というテーマソングです。劇中に登場するゆるキャラ「つらっP」と「おこっP」のために作られたこの楽曲は、視聴者の間で「頭から離れない」「みんなのうたで放送してほしい」といった声が殺到し、最終回直前にSNSで一大ブームとなりました。また、物語の要所で流れる楽曲『Time will tell』は、佳里奈と優美の友情の行方を情感豊かに彩り、「ここぞという時の音楽が素晴らしい」と多くの視聴者から支持を得ています。
『替え玉ブラヴォー!』は実話がベース?原作モデルはいる?
『替え玉ブラヴォー!』が特定の実話や実在の人物をモデルにしているという公式発表はありません。本作は岸本鮎佳によるオリジナル脚本であり、原作となる実話は存在しないと考えてよいでしょう。
ただし、前述の通り、岸本鮎佳自身が「毎日電話するほど仲の良かった親友と、ある日突然連絡を取らなくなり、15年後に再会した」という体験を持っていることを公にしています。佳里奈と優美の「理由のわからない絶交」という設定は、この実体験から着想を得ている可能性が高いといえます。ただしあくまで「着想」であり、ドラマの具体的なストーリー ― ラーメン店やバレエ発表会のアクシデントなど ― は脚本家の創作です。
また、「30歳を迎えたあたりから昔の友達とのスレ違いを感じるようになったのは、私だけではないと思います」という岸本のコメントは、特定の個人の物語というよりも、多くの人が経験する「大人になってからの友情の変化」という普遍的なテーマを描いていることを示唆しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実話・モデルの公式発表 | なし |
| 脚本家の実体験との関連 | 「親友との突然の断絶と15年後の再会」体験に着想の一端がある可能性 |
| 特定の事件・社会問題との関連 | 特定の事件ではなく、「大人の女性同士の友情の変化」という普遍的テーマ |
『替え玉ブラヴォー!』の原作がないからこそ白熱した考察まとめ
視聴者の間で飛び交った主要な考察・説
※以下は放送期間中にSNSで見られた視聴者の考察傾向をまとめたものであり、ネタバレを含む可能性があります。
原作がないオリジナル脚本ドラマでは、「次の展開を誰も知らない」という状況が視聴者の考察意欲を強く刺激します。『替え玉ブラヴォー!』も例外ではなく、放送期間中にはSNS上で活発な考察が繰り広げられました。
最も議論を呼んだのは「優美が佳里奈に絶交を言い渡した本当の理由」です。物語の序盤では理由が明かされなかったため、「佳里奈のラーメンブログが原因」「バレエ団内の人間関係が背景にある」「佳里奈の無自覚な言動が積み重なった結果」など、複数の説が並立していました。佳里奈がラーメンブロガーとして活動していること自体が、ラーメン断ちをしている優美にとって無神経に映ったのではないか、という考察は多くの支持を集めていました。
もう一つの焦点は「佳里奈の行動は計算か天然か」という議論です。絶交されたにもかかわらず優美のバレエ教室に生徒として押しかけ、バイト先のラーメン店にまで乗り込む佳里奈の行動に対して、「純粋な友情からの暴走」と見る向きと、「実は佳里奈なりの戦略がある」と見る向きが分かれていました。最終的に佳里奈の行動は「ひたむきなだけに方向性を間違えてしまう」不器用さとして着地しましたが、この曖昧さこそが毎話の議論を生む原動力でした。
学人(葵揚)と優美の関係性、上司・又野(吉沢悠)の意外な「推し活」の正体、ラーメン店「ため口」の替え玉問題とタイトルの関係など、サブプロットに関する考察も活発でした。
| 説 | 概要 | 根拠となるポイント | 放送中の支持 |
|---|---|---|---|
| ラーメンブログ原因説 | 佳里奈のブログ活動が、ラーメン断ちする優美の神経を逆撫でした | 佳里奈のブロガーとしての知名度、優美のラーメン断ち設定 | 多い |
| 佳里奈の無自覚な言動蓄積説 | 長年の小さなすれ違いが積もった結果の絶交 | 佳里奈の暴走気味な行動パターン | やや多い |
| バレエ団内の人間関係説 | 優美のバレエ団での立場が絶交に影響している | 学人・渚との三角関係的描写 | 中程度 |
脚本家の過去作パターンから考える有力な展開
岸本鮎佳の過去作に共通するのは、「一見対立する二者が最終的にお互いの価値を認め合う」という着地です。『あの子より、私。』でも『ブラックガールズトーク』でも、女性同士の衝突は物語の推進力であると同時に、関係性を再構築するための必要なプロセスとして描かれていました。
この法則を適用すれば、佳里奈と優美の友情が「完全な修復」ではなく「新たな形での再構築」に至るだろうという予測は、放送前から十分に成り立つものでした。実際、最終回では二人が以前とまったく同じ関係に戻るのではなく、それぞれの成長を経た上での新しい友情の形が提示されており、岸本鮎佳の過去作パターンと合致する結末だったといえます。
視聴者の評価 ― 脚本への反応
放送終了後のFilmarksでの評価は575件超のレビューで、全体として高い評価を維持しました。好評な点と賛否が分かれる点がはっきり分かれたのも、本作の特徴です。
好評な点として最も多く挙がったのは、北香那の演技力と岸本脚本の会話の面白さです。「北香那のくるくる変わる表情と独特の声」「岸本鮎佳さんの脚本はやっぱり面白い」「15分の魔術師すぎる」といった声が数多く見られました。天野はなのバレエシーンの美しさ、野添義弘演じるラーメン店主・マチルダのキャラクターも高く評価されています。
一方で、「伏線を張りまくってほとんど回収しないまま終わった」という声や、「佳里奈の行動に共感できない」「展開が速すぎる」といった批判も一定数見られました。特に最終週の展開については、「期待していたラストと違った」という意見と、「これしかないという着地だった」という意見が拮抗しており、岸本鮎佳作品らしい「きれいに収めない」終わり方が賛否を分ける結果となりました。
「つらっPおこっP」のテーマソングが最終回直前に大きなバズを生んだことも特筆すべき現象です。劇中のゆるキャラに関するエピソードが突如として話題化し、「頭から離れない」「みんなのうたで放送してほしい」という反響が広がりました。
| 観点 | 傾向 |
|---|---|
| 好評なポイント | 北香那の演技力、会話の面白さ、15分の構成力、バレエシーンの美しさ、つらっPおこっPのテーマソング |
| 賛否が分かれる点 | 伏線の回収度合い、佳里奈の行動への共感度、最終回の着地 |
| Filmarks評価 | 575件超のレビュー(2026年2月時点) |
『替え玉ブラヴォー!』の原作情報まとめ ― 原作がないからこそ面白い
『替え玉ブラヴォー!』は、脚本家・岸本鮎佳が全20話を書き下ろしたオリジナル脚本のドラマです。原作となる漫画・小説・実話は存在しません。
岸本鮎佳は2013年に演劇ユニット「艶∞ポリス」を旗揚げして以来、「女性同士の関係性」と「ブラックコメディ」を一貫したテーマとして追求してきた劇作家です。その過去作品を分析すると、「完璧ではない主人公」「精度の高い会話劇」「異質なものの衝突から化学反応を起こす構成」という法則が浮かび上がります。本作はこれらの法則がすべて凝縮された集大成的な作品であり、さらに「ラーメン×バレエ×友情」という前代未聞の組み合わせに挑むことで、岸本脚本の新たな到達点を示しました。
放送期間中のSNSでは「優美の絶交の理由」「佳里奈の行動は計算か天然か」といった考察が活発に交わされ、最終回を迎えてなお「伏線の回収」をめぐる議論が続いています。原作がないからこそ、視聴者全員が同じスタート地点に立ち、それぞれの解釈で物語を楽しむことができた。それが本作最大の魅力です。
考察好きな方へ ― 岸本鮎佳の脚本は「何気ないセリフの裏に意味を仕込む」傾向があります。特に佳里奈と優美の会話、そしてラーメン店「ため口」でのやり取りの中に、友情の本質に関わる伏線が散りばめられています。繰り返し視聴することで、初見では気づかなかった発見があるはずです。
脚本家・岸本鮎佳のファンへ ― 本作は『夫の家庭を壊すまで』のブラックさと、『バレエ男子!』のバレエへの愛情が合流した作品です。舞台「艶∞ポリス」で培われた「同時多発的な展開」の構成力が、15分という短尺で最大限に活かされた点に注目してみてください。
これから観る方へ ― NHKプラスでの見逃し配信を利用すれば、全20話を一気に楽しむことができます。1話15分というコンパクトさは、まとめ視聴にも最適です。北香那の圧倒的なコメディ演技、天野はなの美しいバレエシーン、そして岸本鮎佳が描く「きれいごとだけでは語れない女の友情」。原作がないこのオリジナルの物語を、ぜひご自身の目で体験してみてください。
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