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『嘘が嘘で嘘は嘘だ』に原作はある?脚本家・生方美久の作風分析と考察まとめ

2026年1月11日から2月1日にかけてフジテレビ系列で放送されたドラマ『嘘が嘘で嘘は嘘だ』。『silent』で社会現象を巻き起こした脚本家・生方美久が、初めてミステリーに挑んだことで大きな注目を集めた全4話の短編ドラマです。

クリスマスイブの夜、雪降る新潟の小さな居酒屋「法螺吹き」に集った4人の男女。離婚した元夫に呼び出された主人公・みつ子、「自称」結婚詐欺師、「自称」刑事――それぞれが「嘘」を抱える人間たちが繰り広げる会話劇は、放送直後からSNSで白熱した考察を呼びました。

「この作品に原作はあるのか?」「実話がベースなのか?」という疑問を持った方も多いのではないでしょうか。この記事では、原作がないオリジナル脚本であることの確認に加え、脚本家・生方美久の過去作パターン分析、そして視聴者の間で飛び交った考察の傾向まで、徹底的に掘り下げていきます。原作がないからこそ「先が読めない」この作品を、脚本家の創作法則という切り口から読み解いていきましょう。


目次

『嘘が嘘で嘘は嘘だ』に原作はない!生方美久によるオリジナル脚本のドラマ

結論から述べると、『嘘が嘘で嘘は嘘だ』に原作は存在しません。本作は脚本家・生方美久による完全オリジナル脚本のドラマです。

生方美久は、2022年の連続ドラマデビュー作『silent』以降、『いちばんすきな花』(2023年)、『海のはじまり』(2024年)と、すべての連続ドラマをオリジナル脚本で執筆してきました。原作付き作品を手がけた実績は現時点ではなく、「自分の言葉で物語を紡ぐ」ことにこだわり続けている脚本家です。本作もその姿勢の延長線上にある作品であり、小説や漫画など既存の作品を原案としたものではありません。

生方本人は本作について「ヒューマンラブサスペンスサイコホラーシチュエーションコメディ」と独自の造語で形容しており、「たのしくあかるくすこやかに脚本を書かせていただきました。30分×4話のシチュエーションコメディです」とコメントしています。全4話×約30分という短編形式は、これまで10話前後の連続ドラマを手がけてきた生方にとって初の試みであり、ジャンルとしてもミステリーは初挑戦でした。原作がないからこそ、脚本家自身の引き出しの広さが試される挑戦的な企画だったといえます。

なお、FODにて2025年12月24日0時より全4話一挙先行配信が実施され、テレビ放送に先駆けて視聴者に届けられるという異例の配信体制も話題を呼びました。

項目内容
ドラマ名嘘が嘘で嘘は嘘だ(うそがうそでうそはうそだ)
原作なし(オリジナル脚本)
脚本家生方美久(うぶかた みく)
ジャンルヒューマン・ラブサスペンス・サイコホラー・シチュエーションコメディ
放送局フジテレビ系列
放送期間2026年1月11日〜2月1日(毎週日曜23:15〜23:45)
話数全4話(完結済み)
配信FODにて2025年12月24日より全話一挙先行配信

『嘘が嘘で嘘は嘘だ』の原作脚本は誰が書いていますか?脚本家・生方美久の作風を徹底分析

生方美久のプロフィールと経歴

生方美久は1993年5月10日、群馬県富岡市生まれの脚本家です。群馬大学医学部保健学科看護学専攻を卒業後、看護師・助産師として医療現場に従事していたという異色の経歴を持ちます。

脚本家を志したきっかけは、学生時代に岩井俊二監督の映画『リリイ・シュシュのすべて』を観て映像作品に強い関心を抱いたこと。当初は映像監督を目指してニューシネマワークショップを受講していましたが、やがて脚本執筆に軸足を移し、2018年頃から看護師として勤務しながら独学で脚本を書き始めました。尊敬する脚本家として坂元裕二、信本敬子、野島伸司の名を挙げており、とりわけ坂元裕二の『Woman』と『問題のあるレストラン』を繰り返し視聴してきたと語っています。信本敬子については「看護師から脚本家になれる、と思わせてくれた方」と述べており、自身のキャリアの転換点となった存在です。

2020年に第46回城戸賞で佳作を受賞し、2021年には第33回フジテレビヤングシナリオ大賞で大賞を獲得。受賞作『踊り場にて』は同年12月31日に放送され、これがデビュー作となりました。翌2022年に連続ドラマ『silent』で一気にブレイクし、TVerの再生回数や登録者数で歴代最高記録を樹立して社会現象を引き起こしました。2023年には第31回橋田賞の新人賞も受賞しています。

項目内容
名前生方美久(うぶかた みく)
年齢32歳(2026年2月現在)
出身群馬県富岡市
学歴高崎商科大学附属高等学校 → 群馬大学医学部保健学科看護学専攻卒業
経歴看護師・助産師として勤務 → 独学で脚本執筆を開始(2018年〜)
受賞歴第33回フジテレビヤングシナリオ大賞・大賞(2021年)/第31回橋田賞・新人賞(2023年)/第46回城戸賞・佳作(2020年)/伊参スタジオ映画祭シナリオ大賞奨励賞
代表作『silent』(2022年)/『いちばんすきな花』(2023年)/『海のはじまり』(2024年)
実績『silent』でTVer再生回数・登録者数歴代最高を記録。Twitterトレンド世界1位を複数回獲得

生方美久の過去作品から見る「脚本の法則」

生方美久のこれまでの連続ドラマ作品を並べてみると、明確なパターンが浮かび上がります。『silent』(2022年)は恋愛、『いちばんすきな花』(2023年)は友情、『海のはじまり』(2024年)は家族と、作品ごとに異なる人間関係のテーマを選んでいます。しかし、その根底に通奏低音のように流れているのは「コミュニケーション」「言葉」「関係性」という一貫したテーマです。

ストーリー構成の面では、初回から緻密に計算された伏線を配置する手法が特徴的です。『silent』では聴覚障害と手話という設定を通じて「言葉が届かない」状況を描き、『海のはじまり』では過去と現在が交錯する時間構成を用いて、語られなかった真実を徐々に明かしていきました。いずれの作品でも、物語の中盤で登場人物の関係性が根底から揺さぶられるターニングポイントが訪れ、終盤では「正解のない問い」を視聴者に投げかける形で幕を閉じる傾向があります。

キャラクター造形においては、「セリフっぽくないセリフ」へのこだわりが一貫しています。ドラマ評論家の成馬零一氏は「生方さんは坂元裕二を咀嚼しながら独自の作家性を発揮している」と評しており、2000年代以降の作家性の強いドラマ脚本の系譜を自分のものにしていると分析しています。登場人物は善悪の二項対立ではなく、誰もがグレーゾーンを抱えた存在として描かれ、一つの言葉に複数の意味や思いが込められる多層的な構造が生方脚本の真骨頂です。

また、『いちばんすきな花』について成馬氏は「『silent』のときよりも描き方が複雑で、間口は狭くなっているが、表現としてより洗練された形になっている」と語っており、作品を重ねるごとに作家性が深化している点も注目に値します。

生方美久の法則から『嘘が嘘で嘘は嘘だ』の展開を予想する

すでに全4話が放送・完結している本作ですが、脚本家の過去作パターンを当てはめて振り返ると、生方美久の「法則」がどのように活かされたかが見えてきます。

まず、テーマの選択です。恋愛、友情、家族と描き分けてきた生方が、今作で選んだのは「嘘」という普遍的な概念でした。過去作で一貫して描いてきた「言葉にできない感情」「言葉が届かない状況」というモチーフは、「嘘」というテーマと極めて親和性が高いといえます。言葉がコミュニケーションの手段であると同時に、人を欺く道具にもなるという二面性を、会話劇の中で浮き彫りにしていく構成は、生方脚本の核心を突いた企画だったと考えられます。

次に、伏線の使い方です。過去作で初回から緻密な伏線を張り巡らせてきた生方は、本作でも会話の端々に推理の手がかりを散りばめました。居酒屋での和やかなやり取りの裏で進行する「ひき逃げ事件」の報道、登場人物たちの「自称」の真偽、そしてエンドロール後に明かされる衝撃の一幕。結末を知ったうえで見返すと、序盤のセリフが全く別の意味を持って響いてくるという構造は、まさに過去作で培われた伏線設計の応用です。

そして終盤の「正解のない問い」というパターンも健在でした。最終話のラストで提示される「みつ子は嘘をついていないのか?」という問いかけは、視聴者の中で物語が完結後もループし続ける仕掛けであり、「答えを断定しない」という生方脚本の最大の特徴が最も鮮烈な形で表出した瞬間だったといえるでしょう。


『嘘が嘘で嘘は嘘だ』の原作脚本の特徴は「会話に潜む多層構造の仕掛け」

本作の脚本には、生方美久の作家性が凝縮された3つの際立った特徴があります。

第一に、「1シチュエーション会話劇」という大胆な構成です。舞台はほぼ居酒屋「法螺吹き」の店内のみ。一部の回想シーンを除けば、物語のほとんどがこの狭い空間の中で、4人の会話によって進行します。映像的なダイナミズムに頼れない分、セリフの一言一言が物語を駆動するエンジンとなり、脚本の力がダイレクトに試される形式です。生方本人が「シチュエーションコメディ」と称したとおり、テンポのよい会話の応酬は軽妙なコメディの趣がある一方で、その裏側に常にサスペンスの緊張感が流れています。居酒屋の名前が「法螺吹き」であること自体が、嘘と真実が入り混じる物語空間を象徴する仕掛けといえます。竹原ピストルは脚本の印象について「無数の細かいピースが額にピタリと収まるように計算されていて、緻密かつ精巧なパズルのような美しさ」と語っており、会話劇でありながら構成の精度が極めて高い脚本であったことがうかがえます。

第二に、「嘘の中に混じる真実」という逆転の構造です。「自称」結婚詐欺師の中村は本当に結婚詐欺師であり、「自称」刑事の並木は本当に刑事でした。「嘘つきたちが集まる店」という前提が視聴者に植えつけられることで、真実を語っている人物さえも疑わしく見えるという心理的トリックが巧みに機能しています。この構造はタイトル『嘘が嘘で嘘は嘘だ』そのものの体現であり、「何重にも嘘が重なると、もはや何が真実か分からなくなる」という認識のゆらぎを視聴体験そのものに組み込んだ、メタ的な仕掛けです。

第三に、「30分×4話」という短編形式が生んだ密度の高さです。通常の連続ドラマの約3分の1というコンパクトな尺の中に、コメディ、サスペンス、ヒューマンドラマ、そして推理要素が凝縮されており、一切の無駄がありません。錦戸亮は脚本の第一印象について「読みながらフッと笑えるかどうかが自分の基準。今回の生方さんの作品には思わず笑ってしまう部分がたくさんあった」と明かしており、短い尺だからこそ研ぎ澄まされた会話の面白さが本作の推進力となっていました。


『嘘が嘘で嘘は嘘だ』の原作・着想源は?脚本が生まれた背景を考察

本作の着想源について、生方美久本人から具体的なモデルや元ネタについての公式な発表は確認されていません。しかし、生方の過去の発言や創作姿勢から、いくつかの背景を考察することができます。

生方は尊敬する脚本家として坂元裕二の名を繰り返し挙げており、とりわけ坂元作品の中でも『問題のあるレストラン』(2015年)を繰り返し視聴してきたと語っています。『問題のあるレストラン』は限定された空間での人間模様と会話の応酬が魅力の作品であり、本作の「居酒屋を舞台にしたワンシチュエーション会話劇」という構成との共通点は見逃せません。坂元裕二的な会話劇の文法を生方なりに消化し、ミステリーの要素を掛け合わせたのが本作だという見方は、評論家の間でも共有されている分析です。

また、生方が一貫して描いてきた「コミュニケーション」というテーマの発展形として本作を捉えることもできます。『silent』では「言葉が届かない」切なさを、『いちばんすきな花』では「言葉にできない関係性」を、『海のはじまり』では「語られなかった真実」を描いてきた生方にとって、「嘘」とは言葉が持つもう一つの側面――人を守るためにも傷つけるためにも使われる、コミュニケーションの光と影を凝縮したテーマだったのではないでしょうか。看護師・助産師として人の生死に向き合ってきた経験が、人間の多面性や言葉の重みへの鋭い感受性を育んだことは想像に難くありません。

項目内容
公式発表されたモデル・着想源なし
脚本家のインタビューでの言及坂元裕二作品(特に『問題のあるレストラン』)からの影響を公言。本作については「全く新たなテイストに挑戦した」とコメント
過去作との共通テーマコミュニケーション、言葉の多義性、人間関係の機微

『嘘が嘘で嘘は嘘だ』は原作なし!オリジナル脚本ドラマの楽しみ方

ネタバレなしで楽しむための注目ポイント

本作はすでに全4話が完結しているため、これから視聴する方は一気見が可能です。注目してほしいのは、登場人物4人の「自称」という言葉の扱いです。誰が本当のことを言っていて、誰が嘘をついているのか。居酒屋のテレビから流れるニュースの内容と、4人の会話の内容が微妙にリンクする瞬間を見逃さないようにしてください。

生方脚本の特徴である「初回から張り巡らされた伏線」は本作でも健在です。最終話の結末を知ったうえで第1話に戻ると、何気ないセリフの一つ一つがまったく異なる意味合いを帯びてきます。2時間弱という短い作品だからこそ、2周目の視聴が強く推奨されるドラマです。

生方美久の過去作品を先に観るべき?

本作は生方美久の過去作とストーリー上のつながりはないため、他の作品を観ていなくても十分に楽しめます。ただし、生方脚本の「言葉の多層性」や「伏線の張り方」に慣れておくと、本作の仕掛けをより敏感にキャッチできるでしょう。

観る順番としては、まずデビュー作の延長線上にある『silent』で生方の世界観に触れ、次に群像劇としての深みが増した『いちばんすきな花』を視聴するのがおすすめです。特に『いちばんすきな花』は、複数の登場人物の関係性が絡み合う構造が本作と通じるものがあり、「生方美久は会話の中にこういう仕掛けを忍ばせる脚本家なのだ」という感覚を事前に掴んでおくことで、本作の会話劇をより深く味わえるはずです。

似た世界観の作品ガイド

本作が好きな方に向けて、テーマやジャンルの近い作品をいくつか紹介します。限定された空間での会話劇、「嘘」をめぐるサスペンス、複数の登場人物が織りなす心理戦といった要素を共有する作品群です。

作品名共通点原作の有無一言コメント
問題のあるレストラン(2015年)限定空間での会話劇、坂元裕二脚本の群像劇なし(オリジナル)生方美久本人が繰り返し視聴したと公言。会話のテンポ感に影響を感じられる
嘘の戦争(2017年)「嘘」をテーマにしたサスペンスあり(古沢良太の原案)「嘘」がもたらす人間関係の崩壊を描く。原作があるので結末まで追える
silent(2022年)生方美久脚本、コミュニケーションと言葉がテーマなし(オリジナル)生方の代表作。「言葉が届かない」切なさを味わいたい方に
いちばんすきな花(2023年)生方美久脚本、複数キャラクターの関係性を描く群像劇なし(オリジナル)本作と同じく「人と人との距離感」を繊細に描く
海のはじまり(2024年)生方美久脚本、過去と現在が交錯する構成なし(オリジナル)「語られなかった真実」がテーマ。伏線設計の巧みさを堪能できる

『嘘が嘘で嘘は嘘だ』の原作なしの世界観を支える演出家・プロデューサー

演出:髙野舞

本作の演出を担当した髙野舞は、フジテレビのドラマ演出家として活躍する人物です。生方美久脚本作品との縁が深く、『いちばんすきな花』(2023年)、『海のはじまり』(2024年)の演出にも参加しており、「silentチーム」の一員として知られています。

項目内容
名前髙野舞(たかの まい)
経歴フジテレビ ドラマ演出家

繊細な心理描写と丁寧な間の取り方に定評がある髙野の演出は、本作の会話劇においても効果を発揮しました。居酒屋という閉じた空間の中で、カメラワークと照明の変化だけで緊張感の波を作り出す手腕は、生方脚本との相性の良さを改めて証明するものです。

作品名放送年備考
いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう2016年演出
あなたがしてくれなくても2023年演出
いちばんすきな花2023年演出
海のはじまり2024年演出
嘘が嘘で嘘は嘘だ2026年演出

プロデューサー:金城綾香

本作のプロデューサーを務めた金城綾香は、フジテレビ第一制作部に所属するプロデューサーです。菊地凛子は本作のオファーについて「プロデューサーの金城さんとは過去に2本の作品でご一緒していて、私のことをかなりご存じの方。そんな金城さんから『菊地さんに近い役だと思う』とお話をいただいた」と語っており、キャスティングにおける金城の審美眼がうかがえます。

項目内容
名前金城綾香(きんじょう あやか)
経歴フジテレビ第一制作部所属プロデューサー

初めてアシスタントプロデューサーとして携わった作品が三谷幸喜脚本の『オリエント急行殺人事件』であったことからも、会話劇や密室ミステリーへの素養が培われてきた背景が見て取れます。本作では、生方美久とのタッグは初めてながら、ワンシチュエーション会話劇という挑戦的な企画を実現させました。

作品名放送年備考
グッド・ドクタープロデュース
監察医 朝顔プロデュース
SUPER RICHプロデュース
もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう2025年プロデュース
嘘が嘘で嘘は嘘だ2026年プロデュース

なお、制作プロダクションはAOI Pro.が担当し、制作プロデューサーは大古場栄一が務めました。


『嘘が嘘で嘘は嘘だ』の原作のない世界観を彩る主題歌・エンディング

主題歌「yosuga」― FUJIBASE

本作の主題歌を担当したのは、FUJIBASEというソロプロジェクトアーティストです。2003年6月9日生まれ、東京都出身の22歳で、作詞・作曲・編曲・歌唱・トラックメイク・ドラム演奏までを一人でこなすマルチクリエイターです。

2024年に活動を本格始動し、初の正式音源「smoke and mirrors」を2025年2月にリリース。毎月デモ曲を音楽サブスクリプションサービスに期間限定でアップし続けるという独自のスタイルでファンベースを拡大してきました。SNS上ではデモ楽曲「NEON TOKYO」が100万再生を突破するなど注目度を高めていた中、本作で初のドラマ主題歌を担当しました。

主題歌「yosuga」は2026年1月16日に4thデジタルシングル「Wither / yosuga」として配信リリース。ドラマの脚本からインスピレーションを受けて書き下ろされた楽曲であり、タイトルには「心の拠り所を守るために、人が思わず使ってしまう頼みの綱としての嘘」というテーマが込められています。ドラマの世界観と密接にリンクした歌詞とサウンドスケープが、物語の余韻をさらに深める役割を果たしました。ミュージックビデオは2026年2月1日の最終回放送日にYouTubeでプレミア公開されています。

項目内容
曲名yosuga(よすが)
アーティストFUJIBASE(フジベース)
配信日2026年1月16日
レーベルkand production / NTT DOCOMO Studio&Live
備考ドラマ脚本からインスピレーションを受けた書き下ろし。FUJIBASEにとって初のドラマ主題歌

『嘘が嘘で嘘は嘘だ』は実話がベース?原作モデルはいる?

本作が実話や実在の人物をモデルにしているという公式な情報はありません。前述のとおり、生方美久による完全オリジナル脚本であり、特定の事件や社会問題を題材にしたという発表も確認されていません。

ただし、物語の中で描かれる「人はなぜ嘘をつくのか」という問いは、特定の事件ではなく、人間の普遍的な心理に根差したテーマです。優しい嘘、人を傷つける嘘、自分を守るための嘘、無意味な嘘――こうした「嘘」の多様性は、日常の人間関係の中で誰もが経験するものであり、実話ベースでなくともリアリティを持って響くのは、生方が看護師・助産師として多くの人間の本音と建前に触れてきた経験が反映されているからだと考えられます。

作中に登場する「ひき逃げ事件」も、特定の実在事件との関連は確認されていません。あくまでも会話劇にサスペンスの緊張感を加えるための物語装置として機能しています。

項目内容
実話ベースかどうか明確な情報はなし(オリジナル脚本)
実在のモデル公式発表なし
関連する実話・事件特定の事件との関連は確認されていない
脚本家の背景看護師・助産師としての経験が、人間の多面性への鋭い眼差しに反映されている可能性

『嘘が嘘で嘘は嘘だ』の原作がないからこそ白熱する考察まとめ

視聴者の間で飛び交う主要な考察・説

※以下の内容は最終話までの展開に触れています。未視聴の方はご注意ください。

原作がないオリジナル脚本だからこそ、本作の放送中・放送後にはSNSを中心に活発な考察が飛び交いました。視聴者の議論を整理すると、大きく3つの方向性に分かれています。

第一は「真犯人はみつ子説」です。最終話のエンドロール後、警察の聴取を受けるみつ子が「幸助が自供したなら、幸助は犯人ではない。なぜなら幸助は嘘つきだから」と述べる場面が大きな波紋を呼びました。みつ子の額の傷の説明の曖昧さ、「酔うと嘘をつく」という設定、そして一貫して「嘘嫌い」を主張していたみつ子自身が実は最大の嘘つきだったのではないか、という考察は視聴者の間で最も多く語られた説です。

第二は「幸助は本当に犯人だった説」です。嘘つきの幸助が一度だけ本当のことを言ったのが犯行の告白であり、みつ子はそれを知ったうえで幸助を守るために嘘をついたという解釈です。「嘘つきが真実を語る瞬間」こそがこのドラマの核心だとする読み方で、タイトルの重層性と呼応する考察として支持を集めました。

第三は「真相は永遠に分からないことこそが主題説」です。犯人が誰かという謎解きは物語の本質ではなく、「嘘と真実の境界は曖昧であり、人間関係はその曖昧さの上に成り立っている」というメッセージこそが本作の到達点だとする解釈です。菊地凛子自身がインタビューで「人の会話って嘘で構成されているんだなということを気づかされた」と語っていることも、この読み方を裏付けています。

概要根拠となるポイント支持の多さ
みつ子真犯人説みつ子こそが最大の嘘つきであり、犯行に関与している額の傷の不審さ、「酔うと嘘をつく」設定、エンドロール後の警察聴取シーンSNSで最も多く語られた説
幸助が真実を語った説嘘つきの幸助が唯一本当のことを言ったのが犯行告白幸助のサラッとした告白の異質さ、みつ子がそれを知ったうえで庇う描写タイトルとの呼応から支持される説
真相不明こそが主題説犯人の特定は物語の本質ではなく、嘘と真実の曖昧さが主題生方脚本の「正解のない問い」を提示する作風との一致作品全体のメッセージとして評価される説

脚本家の過去作パターンから考える有力な展開

生方美久の過去作品に共通する終盤の特徴は「視聴者に正解を委ねる」という姿勢です。『silent』でも『海のはじまり』でも、物語は明確な「答え」を提示せず、視聴者それぞれが自分なりの解釈を持ち帰る余白を残して幕を閉じました。この法則を本作に当てはめると、「真相不明こそが主題」という第三の説が、生方の作家性に最も合致する解釈だと筆者は考えます。犯人が誰かを断定することよりも、「嘘つきの言葉を信じるか、嘘嫌いの言葉を疑うか」という問いそのものを視聴者に体験させることが、生方美久が本作で描きたかった核心ではないでしょうか。

視聴者の評価 ― 脚本への反応

本作に対するSNSやレビューサイトでの視聴者の反応を分析すると、全体としては「短編形式の新鮮さ」と「会話劇の完成度」を評価する声が多く見られました。一方で、ミステリーとしての明確なオチを期待していた層からは、結末に対するモヤモヤ感を指摘する声もあり、評価は二分されている面があります。

Filmarksのレビューでは「30分×4話でサクッと観られてちょうど良い」「会話劇が面白くて、短編小説を読んでいるような感覚」「3話まで穏やかに進んでいたのが嘘のように、明かされる真実に驚いた」といった好意的な声が並ぶ一方、「オチにスッキリしたかと言われると疑問」「伏線をきちんと回収してほしかった」という意見も見られます。

キャストの演技への評価は総じて高く、特に錦戸亮の「つかみどころのない元夫」としての演技に再評価の声が多く寄せられました。菊地凛子の「何を考えているか読めない」演技、竹原ピストルの泥臭いリアリティ、塩野瑛久の妖艶な軽やかさと、4人のアンサンブルが高く評価されています。また、「silent脚本家とは思えない軽やかなコメディ」という驚きの声も多く、生方美久の新境地としての挑戦を歓迎する空気が主流でした。

観点傾向
好評なポイント30分×4話のテンポの良さ、会話劇としての完成度の高さ、キャスト4人の演技力、生方美久の新境地としてのコメディ要素
賛否が分かれる点ミステリーとしてのオチの納得感、伏線回収に対する評価、短編形式への好みの分かれ
視聴率・評価具体的な視聴率数値は非公開。FOD先行配信での視聴動向が中心。2026年冬ドラマ初回視聴率記事でも言及される注目度

『嘘が嘘で嘘は嘘だ』の原作情報まとめ ― 原作がないからこそ面白い

『嘘が嘘で嘘は嘘だ』は、脚本家・生方美久による完全オリジナル脚本のドラマです。小説や漫画などの原作は存在せず、実話ベースでもありません。だからこそ、放送期間中は誰も結末を知らない状態で毎週の考察を楽しむことができ、完結後もなお「みつ子の嘘」をめぐる議論が続いているという、オリジナル脚本ならではの熱量が生まれています。

生方美久は『silent』以降、恋愛、友情、家族と異なるテーマに挑みながらも、「コミュニケーション」「言葉の多義性」「正解のない問い」という一貫した作家性を貫いてきました。本作ではそこに「嘘」というテーマを掛け合わせ、さらにミステリーという新ジャンルと30分×4話という短編形式に挑戦しました。過去作のパターンから見えてくるのは、生方脚本における「答えを断定しない終わり方」の系譜であり、本作のラストもまさにその延長線上にあります。

視聴者の考察は「みつ子真犯人説」「幸助が真実を語った説」「真相不明こそが主題説」の3つに大きく分かれており、いずれの説にも一定の説得力があります。結末を知ったうえで第1話から見返すと、会話の一言一言が新しい意味を帯びて響いてくる——この「再視聴の豊かさ」こそが、原作がないオリジナル作品の醍醐味です。

考察好きな方は、居酒屋のテレビに映るニュースの内容と4人の会話のタイミングの符合に注目してみてください。脚本家・生方美久のファンであれば、過去作との会話術の違い——特にコメディのテンポ感と、シリアスが侵食してくる瞬間の切り替えの鮮やかさを味わってほしいところです。そしてこれから初めて観る方も、全4話・約2時間というコンパクトさが入口として最適です。原作がないからこそ、すべての視聴者が同じ地点から「嘘」の迷路に足を踏み入れることができる。その体験の公平さと奥深さが、このドラマの最大の魅力です。

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